記録と伝承
逃亡者の村からの手紙
コルヘの兄貴、大丈夫ですか?
性格を少し抑えて、普通に生きればいいのに。
あんな女に構うから追い出されるんすよ。
逃亡者の村は昔と違います。最初は犯罪者どもが隠れて暮らしてましたが、今じゃ落ち着いて子どもまでこしらえてるじゃないですか。本当に心を入れ替えたのか、みんな本性を隠してるだけなのかわかりませんが。私もいつ寝首をかかれるのかとピリついていた頃より、今のほうがまだ生きやすい。
そりゃあの女が偉そうに仕切ってるのは目障りだが、仕方ないじゃないっすか。おかげで村も平和になり、足りないとはいえオード ゼリーまでもらえるんだ。
私はまだ、あの女が一体どこからオード ゼリーを持って来たのか気にはなっている。防壁の内側から来たという噂もあったが、そこから持って来たわけではなさそうだ…
とにかくそのオード ゼリーさえあれば、好き勝手できるのにな。
覚えているか?この二年前のことだったか…あの女がウルゴルンと共に来た時のことだ。可愛らしい顔をして、村の力を持つ者どもを全て制圧し、オード ゼリーを撒き散らしながら全員を自分の勢力に引き込んだではないか。我々もあのオード ゼリーさえあれば、そうできたのに…と。
今のはただの愚痴だから、行動に移すなど考えないでくれ。そのときは追い出されるくらいじゃ済まないから。
それじゃ、また連絡する。体にはお気をつけて。